季節の変わり目に体調を崩しやすい方は多いと思います。「季節の変わり目なので、どうぞご自愛下さい」と相手を気遣う言葉がよく使われます。

天気や気圧、湿度・寒暖差などの変化によって起こる不調は「気象病」と言われています。

症状は人によって様々で、頭痛やめまい、古傷の痛みや関節痛、耳鳴りなどがあります。60％ほどの人が気象病の経験がありますが、その中でも多いのが頭痛です。

どうして気象の変化が体調不良を引き起こすのでしょうか。簡単に言いますと、自律神経が影響を受けてしまうからです。自律神経は、体調を正常に保つために呼吸や体温調整、血液循環や消化、ホルモンの分泌などをコントロールしています。天気や気圧などの変化によって自律神経が過敏に反応してしまうようです。

例えば、暑い時には汗をかいて、冷えた時には、顔などが熱くなります。それは体温を調整するための働きなのです。暑さや寒さに対応するために体温を調整しているのですが、その働きが過剰になってしまって気象病が起こるようです。

その影響を受けやすいのは女性です。月経がありホルモンのバランスの変化に対応するために自律神経が働いているからです。月経周期は約1ヶ月の周期の間にホルモンのバランスが変化し調整されていますが、気象の変化が加わることで自律神経は過敏に働いてしまいます。また更年期の女性もホルモンのバランスが乱れやすいため気象病になりやすいようです。その他、精神的なストレスに弱い方も影響を受けやすくなります。

こういった気象病の中でも最も多いのが頭痛です。

頭痛は、血液に水分が溜まって血管が拡張して、神経を圧迫する事によって発症します。気象の影響で起こる頭痛には「片頭痛（偏頭痛）」と「緊張型頭痛」があります。

片頭痛はズキズキと拍動と共にこめかみが痛むのが特徴です。。こめかみの片側だけでなく両方が痛む方もいます。

緊張型頭痛は頭が締め付けられるように痛むのが特徴です。しかし、緊張型頭痛の場合は、血管が拡張して起こるのではなくて、後頭部や首・肩まわりの筋肉が緊張するのが原因です。同じ頭痛でも天気や気圧の変化によって血管に影響を受ける人や筋肉に影響を受ける人など、それぞれで自律神経のバランスの乱れ方が異なります。