目の奥に痛みを感じる場合は、単に目に問題があるだけではなく別の症状を併発している可能性もありますので注意が必要になります。考えられるものを以下で解説いたします。

眼精疲労

パソコンやスマホ、タブレットなど画面を長時間見続けて目が疲れてしまって、目の奥に痛みを生じたり、充血や目のかすみなどの症状が出ます。現代病の１つともいえ、肩こりや頭痛、吐き気に発展することもあります。

片頭痛（偏頭痛）

片頭痛は頭の痛みと思ってしまう方もいますが、左右どちらかの目の奥から側頭部にかけてズキズキした強い痛みが出るのが特徴になります。何の前兆もなく突然起こる方もいますが、1ヶ月に数度、多い方であれば１週間に何度が定期的に発症する方もいます。

一度発症すると痛みが続き、吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。中には視野の中に稲妻のような光が見える「閃輝暗点」という症状が前兆として現れることもあります。

急性緑内障発作

緑内障はほとんど自覚症状がないまま進行すると考えられております。しかし、目の中の水（房水）の流出路である隅角と呼ばれる部分が狭くなって眼圧が上昇して緑内障の発作が起こる場合があります。原因としては、薬剤や他疾患の影響、白内障によって水晶体の厚さが増してしまうことがありますが、急性緑内障発作が起こると、緊急で手術を行わないと失明の危険性もあるので要注意です。

発作が起こっても直接目に関係のない症状も多く、目の奥の痛みや頭痛、吐き気などを催すことがあります。中には光を見た時に虹色の輪（虹輪視）が見えたり、全体が白っぽく（霧視）目えたりする人もいます。

眼窩蜂窩織炎

ケガなどをした際に細菌に感染して炎症が起こる状態を蜂窩織炎（ほうかしきえん）と言います。それが眼球がおさまっている窪み（眼窩）に起こるのが眼窩蜂窩織炎です。目の周りにある筋肉や神経などの組織が菌に侵されるのが原因です。副鼻腔炎や虫歯などが原因の時もあります。思わず目を閉じてしまうような激しい痛みや強い充血、視力の低下などが主な症状です。白目の部分が浮腫んでブヨブヨになったり、発熱や吐き気を催すこともあります。

脳血管障害

脳の血管が詰まって引き起こされる脳梗塞は、呂律が回らない、手足が麻痺する、視野の障害などが症状として挙げられます。前兆として頭痛や目の奥の痛みを感じる場合もあります。また、くも膜下出血では、過去に経験したことがないほどの強烈な頭痛と目の奥の痛みが起こります。

視神経炎

視神経は、目に入ってきた光の情報を脳に伝える働きがあります。その視神経が炎症を起こすと視神経炎と呼ばれます。症状としては、目の痛み、目の一部が徐々に見えなくなる視野欠損があげれらます。目を動かすときに痛みが出るのが特徴です。

感染性眼内炎

感染性眼内症とは、細菌」やウィルスなどが侵入して起こるものです。目から直接感染するものや、別の臓器に感染した細菌やウィルスが原因で発症することもあります。

目の奥に痛みが生じたり、充血や目やにが増加します。また飛蚊症といって小さな虫やゴミが動いているように見える症状が見られる方もいます。細菌性の場合は失明する可能性があるので注意が必要になります。

目の奥に痛みを感じた時の対処法は、まずは目を休ませることです。目の疲れが取れれば痛みが軽減することが多いはずです。しかし、それでも目の奥の痛みが続くようであれば、何か別の病気が隠れているかもしれませんので自己判断せずに受診することをおすすめします。