頭痛は、風邪や疲れ、長時間の集中などのストレスなどでも起こってしまう日常的な症状です。女性では生理などのホルモンバランスの変化で頭痛を起こす場合もあります。市販薬を飲んだり睡眠をしっかり取るなどして自然に治る頭痛は心配がないものがほとんどになりますが、それが長期化したり、放置していると命に関わる危険な頭痛もあります。次第に強くなっていく頭痛や激しい頭痛、吐き気や嘔吐を伴う頭痛など、これまでと違う頭痛の場合は早急に受診する事が必要があります。

頭痛には大きく一次性頭痛と二次性頭痛があります。

一次性頭痛は、他の病気が原因ではない頭痛で、片頭痛（偏頭痛）、緊張型頭痛、群発頭痛などです。

偏頭痛は通常、頭の左右どちらか片側がズキンズキンと脈打つように痛くなります。閃輝暗点などの予兆を感じることもあり、女性に多い頭痛です。

原因は、疲労やホルモンバランスの変化、光や音による強い刺激などで周りの三叉神経が刺激されて炎症物質が発生して、脳の血管が急激に拡張して、脳の血流が多くなりすぎるために頭痛を起こします。

緊張型頭痛は、頭痛の中で頻度の多い頭痛で、頭全体または後頭部が締め付けられるように痛みます。目のいくが痛くなることもあります。

原因は筋肉の緊張、またはストレスによって起こります。デスクワークや運転手など長時間同じ姿勢で仕事を続ける職業に多いとされています

群発頭痛は、片方の目の奥が抉られるように激しく痛む症状が現れます。一定期間に集中して起こるため、群発性という言葉がついています。痛みは夜中や明け方に起こりやすく、男性に多い傾向があります。

原因ははっきりとはわかっていませんが、脳血管の拡張が関わっていると考えられています。

二次性頭痛は、早急な受診が必要な脳疾患などを原因とした頭痛で、命に関わる可能性がある頭痛です。

例えばくも膜下出血や脳出血、脳腫瘍などです。

頭痛以外に、次のような症状がある場合には注意が必要です。体の片側や手足などに力が入らない、手足が痺れる、呂律が回らない、ものが二重に見える、めまいがする、体がふらつく、まっすぐ歩けない、意識が遠くなる、吐き気やお鬱、けいれん、表情が歪む、など。

くも膜下出血

くも膜は、脳を覆う蜘蛛の巣のように広がる膜です。くも膜下出血は、脳の太い血管が破裂してくも膜の下に血液が溜まっている状態で、90％は脳動脈瘤が破裂して起きます。突然、激しい頭痛が起こり、吐き気や嘔吐、意識障害を伴うこともあります。

脳出血

脳内の細い血管が破れて出血している状態で、高血圧や高コレステロール血症などの動脈硬化を進ませる生活習慣病があると発症リスクが高くなります。突然、頭痛が起きて徐々に痛みが強くなり、言葉が出にくくなり、手足などの痺れや動かしにくさ、吐き気やめまいなどを起こします。

脳腫瘍

脳に腫瘍ができている状態で、数週間から数ヶ月かけて腫瘍が大きくなっていくにつれて頭痛が激しくなります。腫瘍ができる場所によって、手足の麻痺、片目が見えにくいなどの視力障害、言葉が出にくい、言葉が理解できないなどの症状が現れることもあります。

いつもと違う症状が現れたらすぐに病院で受診を受けることをおすすめします。