日本全国には約3000万人もの頭痛患者さんがいると言われています。また誰もが頭痛は経験したことがあるため「頭痛くらい」「薬を飲めばすぐ治る」と軽く考えられる傾向にあります。しかし、慢性頭痛で悩んでいる方の中には普通の生活ができずに辛い思いをされたり、実は脳や他の病気で引き起こされている場合もあります。頭痛でも原因はさまざまであり、それによって予防法だったり対処法は異なります。

ここでは、当院に通われている方々の多くが悩まれている「緊張型頭痛」と「片頭痛」について解説します。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、頭部周辺や肩・首の筋肉が緊張することで起こります。筋肉が緊張することで血流が悪くなり、筋肉内に老廃物がたまってその周辺の神経が刺激されて痛みが起こります。

原因としては、身体的ストレス、精神的ストレスが大半です。デスクワークやパソコン・スマホなどの使用で長時間同じ姿勢をとり続ける場合や、心の病気などが原因で発症することもあります。

痛みは、後頭部から首筋を中心に頭全体が締め付けられるような痛みになります。目の疲れや倦怠感を伴うこともあります。

予防法としては、長時間同じ姿勢をとらないこと、肩・首の血流を良くすること。

対処法は、温めてこりをほぐすこと、気分転換をして心身のストレスを避けることです。

片頭痛（偏頭痛）

原因ははっきりとはしていませんが、何らかの理由で脳の血管が急激に拡張して起こるのが片頭痛です。脳の血管が拡張すると三叉神経を刺激して、その刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張して発症します。

心身のストレスからの解放で急に血管が拡張することがあるため週末や休暇中に起こることがあります。

その他には、寝不足や寝すぎ、疲労や空腹、光や音・ニオイ、女性ホルモンの変動も片頭痛の誘因と考えられております。

痛みは、コメカミから目の辺りがズキンズキンと拍動とともに痛みます。片側だけでなく両方のコメカミが痛むこともあります。吐き気や嘔吐を伴うことがあり、光や音・ニオイ、気圧や温度の変化に敏感になる場合があります。

予防法としては、自分の頭痛の傾向を把握し、原因となる環境を避けること、規則正しい生活・睡眠を心がける、片頭痛を誘発する食品（チョコ、チーズ、ハム、赤ワイン）などをとりすぎないこと。

対処法は、痛む所を冷やすと血管が収縮して痛みを軽減できることがあります。逆に温めたり入浴したり、マッサージなどは血管を拡張して痛みを増すことがあります。

静かな暗い場所で休んで刺激をできるだけ避けましょう。