１　片頭痛（偏頭痛）

片方の頭からコメカミの辺りがズキンズキンと痛みます。原因ははっきりとはわかっていませんが、脳の中で神経が圧迫されていることが原因ではないかと言われています。若い女性に多い病気です。症状が起こる前には目の前がチカチカしたり、軽い頭痛があったりと、前駆症状があります。

２　緊張型頭痛

この頭痛は、多くの場合肩こり・首こりがひどくなった頭痛と言われます。元々人の背中には僧帽筋という筋肉があります。僧帽筋は菱形をしていて、上の頂点が後頭部に、両側の頂点が肩甲骨に、下の頂点が脊椎に付着しています。体のバランスを取ることが主な仕事です。肩こりは、この僧帽筋が緊張することで障害を受け、痛みを感じる状態です。

しかし筋肉の障害がひどくなると、つながっている後頭部まで筋肉が損傷を受け、痛みを感じます。右の肩こりであれば右側のコメカミ辺りが、左の肩こりであれば左側のコメカミ辺りが痛くなることが多いですが、真ん中が痛むこともあります。

３　側頭筋の筋肉痛

固いものを噛んだ後や、多くの回数噛んだ時に出る痛みです。口を閉じるための筋肉は多くありますが、主には咬筋と側頭筋です。その中でも側頭筋は、顎の骨と側頭部をつなぐ筋肉で、ちょうどコメカミの部分にも付着します。この筋肉をよく使うと、付着している側頭筋部に痛みが出てきます。基本的には安静にしておくと良くなります。

４　慢性硬膜下血腫

年を取ってくると、だんだんと脳は萎縮して、頭の中の脳の体積が減少します。すると、脳の周りの空間が広がってきます。頭を打撲すると、若ければ脳が頭蓋骨の中にぎっしり詰まっていてあまり動くことはありませんが、年を取って脳の体積が減少している時に頭部を打撲すると脳が大きく動き、脳の表面にある血管がダメージを受けやすくなります。頭部を打撲するとダメージを受けた静脈から徐々に出血をしてきます。少量出血しても血液が脳の周りに少し貯まるだけで特に症状は出ませんが、出血がだんだんと溜まってくるとコメカミのあたりの痛みの他、麻痺や意識障害など、脳が圧迫sれている症状が出現します。

治療は手術になるので、早期に受診が必要となります。

５　くも膜下出血

脳を包む膜でくも膜と脳の間には脳脊髄液という液が溜まっています。脳はくも膜の中で脳脊髄液に浮かんでいる状態です。脳脊髄液が溜まっている場所をくも膜下腔と言います。ここには太い動脈も走っています。何らかの原因で動脈が破れると、血液がくも膜下腔い広がり、激しい痛みを伴います。出血量が多く、頭蓋骨の中の圧が急に上昇すると一気に意識を失うことがあり危険です。

すぐに治療が必要となります。

６　脳腫瘍

脳に腫瘍ができると、最初は特に症状がありません。しかし、だんだんと腫瘍が大きくなってくると、脳を圧迫して麻痺や痙攣が起こるほか、痛みを感じる神経や脳を包む硬膜に接するようになると痛みを感じるようになります。腫瘍は大きくなったり小さくなったりする訳ではないため、ひとたび痛みが出始めると収まることがあまりないというのが特徴です。症状がない脳腫瘍は経過を見ることも多いのですが、症状がある場合は手術となります。

７　側頭動脈炎

この病気は血管炎という病気の一種で、自分自身の免疫に異常が起こる病気です。自分自身の免疫が自分自身の血管の壁に対して攻撃してしまい、炎症が起こってくる病気で、特にコメカミあたりの側頭部にある動脈に特異的に炎症が起こります。炎症が起こるとその場所は熱感を持って痛みを持ちます。免疫に対する専門的な治療が必要です。

８　歯痛

虫歯や歯肉の痛みがコメカミの痛みを引き起こることがあります。特に、奥歯の痛みがそのように感じられる場合が多いです上下左右いずれの歯でも起こり得ます。すぐに痛みが治る場合は一過性の炎症の可能性もありますが、痛みが続く場合は早期に歯科受診が必要です。